研究室紹介

見る・考える・伝える
理論と実践の融合

「見る」・「考える」・「伝える」を均等に行うことで、理論と実践が融合した研究を目指し、観察力・思考力・発信力・表現力、さらに物事を客観的に見る能力を養う教育を実施しています。輪読やプロジェクト演習に加え、松山城や伊佐爾波神社、内子伝建地区や大山祇神社といった県内をはじめ四国各県および広島県の文化財を巡る見学会や博物館の企画展観覧を学生の興味・関心に合わせて積極的に実施しています。

見る

文化財・文化資源は、直に見ることによって初めて気づけることがたくさんあります。形や大きさ、細部だけでなく雰囲気など挙げればきりがありません。研究や活用など、すべての活動は見ることから始まるため、決しておろそかにはできません。

考える

現地調査や見学会によって得られた成果を基礎資料として、分析を行うとともに先行研究・文献・類例・他地域との比較を通じて、自分なりの理論を組み上げる考察を行います。その上で、研究対象とした文化財・文化資源の地域における歴史的・文化的特色、さらには精神的価値を明らかにします。

伝える

見て・考えたことによって文化財・文化資源の特色を理解した上で、発信方法(活用)を検証し、実践します。伝える手段には主に言葉と文字があり、年齢など対象者の属性により内容を考慮する必要があります。相手にとって最も分かりやすい伝え方を検証した上で、発表(解説)内容はもちろんのこと、スライドや配布資料を作成しています。

日々の活動

輪読

週1回実施。担当者が関心のある論文の内容をまとめ、自身の意見などを付して発表します。その後、全員で内容について議論し、分かりにくい・難しい箇所については教員が解説します。ここでは論文を分析し、内容を的確にまとめる能力を養い、さらには論文執筆の基礎を学びます。自身がどのような分野に興味関心があるのかの気づきをうながすとともに他の人の発表から幅広い分野の知見を得ることを目的としています。卒業論文の第一歩になるものです。輪読で取り上げた論文(2022年~)

プロジェクト演習

2・3年生が取り組む授業。毎年異なる場所で調査を行い、分析・考察・発表までを学生主導で行います。また、わかりやすい発表となるようスライド作成にも力を入れています。チーム(複数人)で研究する楽しさや難しさを学ぶだけでなく、自身の長所・短所など、気づきの多い活動です。
【これまでのプロジェクト】
文化資源とどう向き合うのか-西条市綾延神社での実践を通じて-(2024年度)
神社境内の石造物における文化資源的価値-石造物からみえるものとは-(2023年度)
愛媛県西条市における陣屋建築の文化資源的特色(2022年度)
愛媛県西条市における陣屋建築の現状調査(2021年度)

見学会

文化財を現地に行って直に見ることで、座学で得た知識の確認や新たな気づきを得ることができます。愛媛県内を中心に四国および広島県に行くことが多いですが、京都まで行ったこともあります。また博物館や美術館などで開催される企画展を観覧することもあります。
【見学した主な場所】
松山城・伊佐爾波神社・太山寺・石手寺・西隆寺・内子町八日市護国伝統的建造物群保存地区・内子座・宇和島城・天赦園・大山祇神社・今治城・能島城・丸亀城・金刀比羅宮・金丸座・高知城・土佐神社・福山城・福山市鞆町伝統的建造物群保存地区・竹原市竹原地区伝統的建造物群保存地区・北野天満宮・仁和寺・醍醐寺・清水寺・二条城・東寺・愛媛県歴史文化博物館・愛媛県美術館・広島大学総合博物館・広島県立歴史博物館

日常?

見学会など全員で出かける機会が多いので、その他のイベントは少なめ?です。4年生のお疲れ様会、発表の打ち上げなどを不定期で行っています。輪読後やプロジェクト演習の最中に教員主導で甘いものを食べたり、それぞれの趣味や日々の出来事などを研究室で自由に話をしていることが多いです。

卒業論文

3年次の後学期にこれまでの活動を通じて、興味・関心を高めた対象を軸として自身の卒業論文のテーマを決めます。4年次は1年間、調査・資料収集・分析・考察・執筆に取り組みます。これまでの研究テーマは、「神社の彫刻」「城跡公園」「被爆木造建物」「鏝絵」「移築城郭建築」「神社経営」と多彩です。

ゼミ生に聞く!

佐藤研究室とは?

当研究室は、神社や寺院、城郭などにある文化資源を主な研究対象としています。国宝や重要文化財など誰もが知っているものだけでなく、私たちの暮らす地域にさりげなくあるものも立派な文化資源です。この研究室では、そういったある意味どこにでもある文化資源にも向き合い、調査して記録し、その価値や魅力を伝える活動を行っています。時には石造物や絵馬について調査することもあり、幅広い分野の研究ができます。 ここで、所属しているゼミ生に研究室についてインタビューしてみました!

Q1.どうして佐藤研究室に?

・神社や寺院、城郭などの古建築に興味があった。
・まだ発見されていない地域の文化資源の価値を見つけたかった。  
・目を向けられていない文化資源へ興味を持ってもらう方法を研究を通して知りたい!

Q2.入ってみたらどんな研究室だった?

・いろんな文化資源を見に行くことができる。
・自分達で考えたものを形にする活動(ハンドブック制作や解説)も多くて楽しい。
・文化資源について考えてもらうきっかけづくりができて嬉しい。
・賑やかながらもメリハリがあって、やる時はしっかりやる!
・甘いものを巡ってじゃんけんで勝負!

Q3.佐藤先生ってどんな人?

・やりたいことを尊重してくれる。
・細かいところまでこだわりがあって、より良いものを作ることを常に考えている。
・優しくていろんな相談もしやすい!

学生作成による研究室のロゴマーク。「SATO LAB」を「S:鳥」「A:狛犬」「T:組物」「O:カメラ」「L:日本刀」「A:猫」「B:城」で表しています。なお、組物・城は研究対象、狛犬・日本刀は学生の好きなもの、鳥・カメラ・猫は教員の好きなものです。